2020年7月7日(火)の天気【令和2年7月豪雨・福岡長崎佐賀に大雨特別警報】

気象庁は2020年7月3日から始まった一連の豪雨に「令和2年7月豪雨」と名称をつけました。この日は5日目に当たります。前日午後4時半に福岡県・長崎県・佐賀県に発表された大雨特別警報が(佐賀市と佐賀多久地域が6日22時半に警報に切り替えられたのを除き)継続されていました。では地上天気図から見ていきます。

9時時点、梅雨前線が東シナ海、山陰沖、東北南部を通り日本の東にのびています。21時時点では梅雨前線は西日本でやや南下。中国・近畿地方、佐渡沖、東北地方を通り日本の東にのびています。いずれも前線南側で南西〜北東走高の等圧線が混み合っています。また、日本海から沿海州にかけては気圧の低いエリアがあり21時時点では北海道付近に低気圧が解析されています。梅雨前線の北側、大陸には高気圧があり南への張り出しを強めています。南北から高気圧が張り出してきて前線が動きづらい状況になっています(雨雲が動きづらくまずいやつ)。

上空5500m付近(500hPa面)の天気図を見てみると。

引き続き西谷、日本付近は南西流場(暖湿気が流れ込みやすい場)。等高度線5820m付近の強風軸が明瞭で正渦度極大域が西日本〜東北を次々に通過。太平洋高気圧の勢力目安になる等高度5880m線は北への張り出しを強めています。

続いて、850hPaの等相当温位図(予想)。

FXJP854 初期時刻6日

345K以上の下層暖湿気9時時点で西日本から東日本に、21時には一部東北南部にも流入する予想。特に九州付近は前線南側の西風と、太平洋高気圧縁辺の南西風が合流するような危険な場。

この日は特に九州北部に非常に活発な雨雲が次々に流れ込み、記録的な大雨になりました。未明には熊本県と大分県で記録的短時間大雨情報が発表されています。

この日の雨量の記録をみると、1時間降水量は九州や中国四国だけでなく、岐阜や長野でも30ミリ以上の激しい雨が観測されたのが分かります。3時間雨量も同様の傾向で、岐阜県では下呂市萩原で3時間降水量126.5mm(23:00)を観測するなど通年の極値を複数地点で更新しています。

通年の極値更新状況(7月7日)

24時間以上の長い期間の降水量でみると、九州北部の地点での極値更新が圧倒的に多くなっています。福岡県大牟田では24時間降水量446.0mm(6:40)を観測していますが、これはかつての1位の記録を130mm以上上回る大幅な記録更新。そのほか48時間降水量666.5mm(22:20)、72時間降水量684.5mm(24:00)も通年の極値を更新しています。大牟田市では大雨による浸水被害が相次ぎました。そのほか大分県日田市椿ヶ鼻では72時間降水量838.0mmを観測しています(通年の1位更新)。

通年の極値更新状況(7月7日)

また、前線の活動が活発のときは、大雨に注目がいきがちですが、暖湿気をいっぱいもたらすようにして風も強まりがちです。SNSでは「台風並み」という書き込みも多く見かけられました。熊本県阿蘇市阿蘇乙姫では最大瞬間風速30.5m/sを観測し通年の極値を更新しています。

通年の極値更新状況(7月7日)
7月の極値更新状況(7月7日)
風・ランキング(7月7日)

また、前日6日から福岡県・長崎県・佐賀県の市町村に発表されていた大雨特別警報は午前11時50分までに全て解除されましたが、筑後川が大分県日田市内で氾濫したほか、筑後川の支流で越水が発生したところがありました。

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ABOUT US

加藤 直樹気象予報士・防災士
気象予報士・防災士・国内旅行業務取扱管理者。京都大学農学部森林科学科卒。大学在学中に気象予報士試験に合格。気象解説業務に就く社会人2年目。