2020年7月28日(火)の天気【東北大雨・山形県最上川で氾濫発生】

地上天気図から。今回は6時間おきに4つみます。

①高気圧、梅雨前線、高気圧。梅雨前線は朝鮮半島や日本海、東北地方を通り日本の東に伸びていますが、日本付近では2つの高気圧にロックされている印象を受けます。②この日の特徴は梅雨前線があまり寝ずに(傾かずに)東西に伸びているという点。太平洋高気圧縁辺を回る暖湿気が前線付近に広く流れ込みやすいパータンです。③また前線上の低気圧が日本海中部から東北地方、山形県・新潟県付近に接近しました。前線上の低気圧は低気圧の前面で風を強めて、その分大雨のもとになる暖湿気移流を強めるという特徴があります。東北北陸などで危険な雨になりそうなパータンですね。

気象衛星画像では、帯状?の雲域が日本の北寄りの地域にかかっていたのが分かります。

続いて、上空約5500m付近(500hPa面)の天気図で、上空の偏西風の様子、気圧の谷などを確認。

①太平洋高気圧・勢力目安の5880m等高度線が西日本・東日本にかかっています。②5820mの等高度線は日本の西で北に大きく蛇行していて、沿海州がリッジ場です。③日本は東・北日本を中心に正渦度移流の場で、断続的に雨脚が強まりそうな様相です。

続いて、大気下層(上空1500m付近、850hPa面)の暖湿気の流れ込みの予想です。

FXJP854 (初期時刻27日21時)

これをみると、東北・北陸が特に危険な雨になりそうだと、一目で気付けますね。日本海、東北を通り日本の東にのびる梅雨前線の南側に、東シナ海・対馬海峡を通り抜けるような形で345K以上の暖湿気が西風で流れ込んで、日本海を東進する低気圧の前面にゴールして大雨を降らしてしまう、そんな表現ができるかと思います。

この日は東北地方や新潟県を中心に大雨になり、特に山形県では記録的大雨になりました。

気象レーダーの様子では、第1弾の雨雲が未明〜明け方ごろ、第2弾が日中に、東北地方を中心にかかったのがみてとれます。

まず第1弾ですが、秋田県に線状降水帯とみられるエコーがかかりました。湿舌の先端が東北地方にかかり始めたタイミング。おそらく、上空の正渦度移流と対応して、小さな低気圧ができていたと考えられます。その低気圧前面への暖湿気移流が特に強まり活発な雨雲が持続してかかったと考えます。レーダーの解析では秋田県由利本荘市北部付近で5:30までの1時間に約100mmの雨が降ったとみられ、秋田地方気象台は記録的短時間大雨情報が出されました。

第2弾は特に日中の山形県。前線上の低気圧が接近し、低気圧前面で345K以上の暖湿気がまとまって流れ込んだことで激しい雨が降り続きました。こうやって気象条件を淡々と振り返ると、降るべくして降っているなと感じます。山形県では「記録的な大雨」になったと報道されましたが、概ね予想されていたことが起きたと言える。

この日の雨量の記録です。

1時間降水量では秋田県大曲で51.5mm(3:33)を観測し7月の極値を更新。秋田県南部では1時間40〜50mmの雨がおよそ2時間降り、3時間降水量では大曲114.0mm(4:40、7月極値更新)、秋田県大正寺110mm(4:10、通年極値更新)を観測しています。この未明から明け方の大雨で大仙市福部内川で氾濫が発生(6:40)しました。短時間でも中小河川では一気に増水し氾濫につながることがあります。

その他、湿った空気の吹き付けで大雨になった静岡県牧之原市静岡空港では1時間降水量75.0mm(0:21)を観測し通年の極値を更新しています。

また、日中大雨が降り続いた山形県では24時間降水量が軒並み100mmを超えて、200mmを超えた地点もありました(山形県鶴岡市荒沢226.5mmなど)。24時間降水量では山形県の3地点、新潟県の1地点で通年の極値を更新しています。東北で200mm超というのはかなり危険な雨量です。

この大雨で、東北では土砂崩れや河川氾濫が相継ぎました。山形県では雨のピークがすぎた翌29日の未明に日本三大急流・最上川中流で氾濫が発生しました。大河川では中小河川の水が雨が落ち着いてから流れ込んで、水位上昇、溢れてしまうというのが一般的です。

風は日本海側の地域で15m/s以上、強く吹いたところがありました。新潟県佐渡市両津で15.8m/s(14:49)を観測しています。

また、この日は九州南部で梅雨明けの発表がありました。平年より14日遅く、昨年より4日遅く。梅雨明けの勢いそのままに、鹿児島県鹿児島市が最高気温34.1度で全国ランキングトップに躍り出ています。

最高気温ランキング(7月28日)

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