2020年7月23日(木)の天気【日本最西端で記録的猛暑】

まず天気図をじっくり見ていきましょう。

①梅雨前線が西日本から東日本に停滞しています。前線上の低気圧が華中付近を東北東進していて、21時には黄海で閉塞過程に入っています。低気圧前面では等圧線もやや混み合っていて暖湿気移流が強まってそう。②日本海にはほとんど停滞している高気圧があります。③オホーツク海に中心を持つ高気圧があります。こちらもほとんど停滞。

続いて上空約5500m付近(500hPa面)の天気図。

①華中・5820m付近のトラフが寒冷渦の様相を呈しつつ東進。地上の低気圧は西からトラフが近づいてくる時発達しますが、上空のトラフが低気圧の真上にきて低気圧が発達のピークを過ぎて閉塞過程に入っていたんだなあと納得できます。②西日本から北日本は広く正渦度移流場。(1)西日本・東日本に東西に延びる正渦度極大域があって北上傾向。(2)東北付近の正渦度極大域は東に抜けていく傾向。③日本海には範囲は狭いですが高圧部が解析されています。④太平洋高気圧の勢力目安の5880m線は西日本の太平洋側に北上。南西諸島は目立った正渦度移流域なし。

気象衛星を見ると、トラフから寒冷渦になろうとしている渦がはっきり見てとれます。また、北日本日本海側、背の低い雲がかかっています。僕のすむ秋田では弱い霧雨が降りやすい天気でした。

続いて、大気下層(上空約1500m付近・850hPa面)の暖湿気の流れ込み予想。

上空約1500m付近での暖湿気流れ込み予想(FXJP854:初期時刻22日21時)

低気圧の東進に伴い345K以上の暖湿気が九州に流れ込む予想でした。前線位相の等相当温位線集中帯は北上傾向。

さて、雨も気になるところですが、今回は気温から。この日は高気圧に覆われた沖縄地方で、観測史上1位の猛暑になったところがありました。それが以下の2地点。日本の最西端・与那国島の2地点です。

沖縄県の観測地点()

この日は沖縄県内全25地点で30度以上の真夏日、全国ランキングでも1位から4位までを独占しています。

最高気温ランキング(7月23日)

原因としては厚みのある高気圧が沖縄地方を覆っていたためと考えられます。上空約9600m付近(300hPa面)の天気図をみると、9720mの等高度線が大陸から日本の南に張り出しているのが分かります。さらに細かく見ると、高気圧性の(時計回りの)風の循環も沖縄付近には見られます。ひと口に高気圧といっても大気のどれくらいの高さまで高気圧な(気圧が高くなっている)のかは時々によって異なりますが、今回はとても分厚い高気圧ができていて、その分高気圧周辺では下降気流が強まり、空気の圧縮による昇温が顕著になったと言えそうです。

AUPQ35 9時

続いて、雨の様子、記録です。

西・東日本や東北南部を中心に断続的に雨。暖湿気移流が強まった夜には九州北部に活発な雨雲が接近。

長崎県対馬市厳原では1時間降水量73.0mm(7:37)の非常に激しい雨を観測。また福島県飯館では1時間降水量31.0mm(18:14)を観測し7月の極値を更新しています。

1時間降水量ランキング(7月23日

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ABOUT US

加藤 直樹気象予報士・防災士
気象予報士・防災士・国内旅行業務取扱管理者。京都大学農学部森林科学科卒。大学在学中に気象予報士試験に合格。気象解説業務に就く社会人2年目。