2020年7月12日(日)の天気【令和2年7月豪雨・東北大雨・北海道キロク雨】

気象庁は、7月3日(金)から各地で記録的な大雨になっていることを受けて、一連の大雨を「令和2年7月豪雨」と名付けました。7月12日は10日目にあたります。では地上天気図から見ていきます。

①太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の間、梅雨前線が西・東日本を通り日本の東にのびています。②9時の時点では東北地方に低気圧が解析されていますが、21時時点では不明瞭になっています。③フィリピンの東には動きの遅い熱帯低気圧が解析されています。④前線上の低気圧が華北から黄海付近を東北東進。

全般気象情報などに用いるアジア・北西太平洋域の地名、海域名(気象庁HPより)

上空の5500m付近(500hPa面)の天気図です。

−6度以下の寒気を伴う5760mのトラフが東北地方を通過中(地上の低気圧に対応)。9時時点では秋田の高層気象観測で-8.9度を観測。太平洋高気圧の勢力目安の5880m等高度線は少し南に後退しています。

上空約1500m付近(850hPa面)の暖湿気の流れ込みを振り返ります。

地上天気図で寒冷前線が日本の東に抜けるように解析されていましたが、345K以上の暖湿気は確かに東の海上に逸れていく予想でした。ただ、東北には低気圧周辺に330K以上の暖湿気が残る予想(9時)。さらに①オホーツク海高気圧からの北東風と②低気圧に吹き込む西風の収束が予想されていました。等相当温位線もやや混み合っています。回復が遅れそうな傾向ですね。

この日は、前述の風の収束の影響で、特に東北北部で雨量が多くなり、青森県馬淵川(まべち川)水系では一時氾濫危険水位に達したところがありました。では全国のレーダーの様子。

寒冷前線通過により、未明には東日本太平洋側を中心に強いエコーがかかっています。東北北部には午前を中心に活発な雨雲がかかりました。夜になると低気圧が近づいてきた西日本で雨の範囲が広がってきています。また上空に寒気が流れ込んだ北海道では極値的に雨雲が発達。夕方に2度記録的短時間大雨情報が出されています。

記録的短時間大雨情報(7月12日)

東北北部のレーダーの様子を詳しく見ていきます。

午前は雨の範囲が広かったものの、午後になると雨の範囲は次第に狭く。風のシアラインが少しずつ南に下がったのと低気圧の不明瞭化によるものと考えます。

降水量を振り返ります。1時間降水量では未明に伊豆半島の3地点(湯ヶ島、土肥、天城山)で1時間に50mm以上の非常に激しい雨を観測しています。また、東北でも濃い青色や黄色の表示がほとんどで岩手県遠野では32.5mm/h(4:46)の激しい雨を観測しています。

東北北部の24時間降水量を見ると、青森県や岩手県を中心に100mmを超えたところが多くなりました。また、東北北部では2日前の金曜日の午後から雨が降り出していて、24・48・72時間降水量で極値を更新した地点が理ました。熊本県や長崎県など九州と比べると絶対量は少ないわけですが、極値の更新状況を見ると東北北部が普段雨が多くない地域であることを再認識させられます。

降水量・通年の極値更新状況(7月12日)
降水量・7月の極値更新状況(7月12日)
風・7月の極値更新状況(7月12日)

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加藤 直樹気象予報士・防災士
気象予報士・防災士・国内旅行業務取扱管理者。京都大学農学部森林科学科卒。大学在学中に気象予報士試験に合格。気象解説業務に就く社会人2年目。