まずは天気図から。

梅雨前線が黄海から南西諸島を通って日本の東に伸びています。かなり不自然な湾曲をしていますが、①太平洋高気圧の張り出し、②紀伊半島付近の寒冷渦、③西からのトラフ東進などが要因と言えそうです。


この日は西東本の太平洋側では前線や湿った空気の影響で雨の降ったところもありましたが、広く見るとオホーツク海高気圧に覆われるような場。山越えのフェーン現象の影響で日本海側の地域ほどよく晴れて気温も上昇しました。ただ、夜遅くになると低気圧の東北東進に伴い、九州では雨が降り始め、長崎県では夜遅くに激しい雨が観測されています。


最高気温の高い順10傑を見てみると、大分県日田や福岡県久留米など九州の地点が目立つ中、北陸地方の新潟県や山陰地方の地点が名を連ねています。また長崎県の2地点(芦辺、松浦)、和歌山県南紀白浜(南紀白浜空港)で最高気温が6月の極値を更新しています。

そして、オホーツク海高気圧の影響が特に分かりやすいのが東北地方です。奥羽山脈を境に天気傾向がガラッと変わります。東北地方の最高気温を見てみると。


まず日本海側では秋田県や山形県の、特に沿岸部の地点で30度以上の真夏日地点が多くなっています。平年差をみてみても、特に沿岸部で+6度以上の赤色の表示が目立ちます。


一方の東北太平洋側。20度に届かなかった地点も多くなっています。ほとんどの地点で平年以下。これはオホーツク海高気圧によって、太平洋側から北東の湿った気流が流入したためです。冷湿気流は太平洋側に背の低いどんよりとした雲をもたらし、日照を遮ります。ただ、背の低い雲なので東北地方を背骨のように分つ奥羽山脈を越えることができません。その結果、日本海側の地域には山越えのフェーン現象によって乾いた暖かい空気が吹き込みます。また分厚い下層雲もかかりづらいため、山を超えた暖かい空気が日照で暖められながら内陸から沿岸へ(東から西へ)向います。このために日本海側では沿岸ほど高温傾向になりやすくなります。
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